日本教育工学会論文誌
Online ISSN : 2189-6453
Print ISSN : 1349-8290
ISSN-L : 1349-8290
韓国の公立小学校における1人1台の情報端末の導入初期段階でのICT活用および授業過程・授業形態の特徴に関する事例分析(<特集>1人1台端末時代の学習環境と学習支援)
高橋 純高坂 貴宏前田 喜和森谷 和浩堀田 龍也
著者情報
ジャーナル フリー

2014 年 38 巻 3 号 p. 317-327

詳細
抄録

韓国の公立小学校の1人1台の情報端末の導入初期段階において,1名の教員の3時間分の算数科の授業を対象に,活用されたICTの種類や時間,授業過程や授業形態の特徴の検討を行った.その結果,1)教員は,93%の授業時間でICTを活用しており,最も活用時間の長いハードウェアは大型提示装置であり,ソフトウェアは授業支援システム(81%)であった.2)教員が授業支援システムで最も活用した機能は,ペン描画と児童のデジタルノート一覧と提示であり,限られた機能が多用されていた.3)児童は,57%の授業時間でタブレットPCのみを活用しており,最も活用時間の長いソフトウェアは授業支援システム(90%)であった.4)授業過程は,導入,展開,まとめといった我が国でも典型的にみられるものであった.展開では2〜4回の課題解決学習が繰り返し行われていた.5)授業形態では,一斉指導が最も長く(58%),次いで個別学習(29%)であった.

著者関連情報
© 2014 日本教育工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top