2014 年 38 巻 Suppl. 号 p. 137-140
短期大学生88名を対象とし,授業中の資料への書き込み量および内容と,再生された情報量および内容との対応を明らかにするために資料への書き込みと再生内容の分析を行った.その結果,多くの書き込みを行った学生の方が多くの情報を再生するということが明らかになるとともに,書き込みを行った情報の方が再生されやすいという関係についても示された.書き込みを行うためには,学生自身による取捨選択を必要とし,自ら選んだ情報は記憶に残りやすかったのだと考えられる.しかし内容ごとに見てみると,必ずしも書き込みの有無と再生とが対応していない項目も見られ,書き込みを行う上での処理の深さなどによる再生への影響も考えられた.