本研究の目的は,(1)教員は研修でのワールドカフェ(以後,WCと記す)体験をどのように評価するのか,(2)WCはその後の実践にどう活かされるのかを検討することであった.WC直後に教員が自由記述した感想をもとに(1)を検討した結果,参加者の9割は気づきがあったと評価し,5割はWCの価値を評価した.全参加者の記述パターンや内容を分析したところ,WC特有の対話形式が参加者間の対話の促進,及び気づきの生起に寄与していた可能性が示唆された.WCの2か月後に提出されたレポートをもとに(2)を検討した結果,WCが,教員同士の対話環境の創造,WCで得た気づきや情報の活用という形で活かされていることが示された.