日本教育工学会論文誌
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大学生の情報モラル意識形成に対する情動制御水準の影響
阪東 哲也宮川 洋一森山 潤
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2016 年 39 巻 Suppl 号 p. 25-28

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抄録

 本研究では,大学生89名を対象に,情報モラル意識形成に対する情動制御水準の影響について検討した.調査の結果,情動制御水準のうち,「自己の情動評価」,「情動の調節」は,情報モラル意識形成に有意な影響力を示さなかった.しかし,「他者の情動評価」,「情動の利用」では,情動制御水準の主効果が認められ,いずれも高群の方が,情報モラル意識も高水準にあった.このことから,大学生の情報モラル意識の形成には,他者の情動に注意を向け理解しようとする意識,目標達成のために自分の情動を適切に調整・利用しようとする意識が,それぞれ重要な役割を果たすことが示唆された.

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© 2015 日本教育工学会
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