本研究では要約と構造化の要素が含まれるライティング活動としてのハンドアウトの評価観点を授業実践での調査から明らかにした.学生が作成したハンドアウトの評価は,量的な評定尺度と質的な自由記述コメント,書き込み方略から検討した.ハンドアウトに対する評定を因子分析し,印象評価でまとまり,簡潔さ,内容評価で分かりやすさ,構造化の4因子が抽出された.この4因子とハンドアウトの有用度評定との関連を示す因果モデルを作成し,4因子が有用度を高めることを確認した.自由記述コメント,書き込み方略について有用度との関係を対応分析で調べたところ,有用度に応じた自由記述コメント,書き込み方略があることが示された.