2018 年 41 巻 4 号 p. 461-475
本研究では,小学校の保健の授業において,避難所生活に着目した健康教育として防災教育と健康教育をつなぐヘルスリテラシー教育を行い,その効果について検討を行った.具体的には,事前に避難所で問題となる病気や衛生面・ストレスなど健康問題に関わることについて調べ,それをもとにゲーミフィケーションと知識構成型ジグソー法の要素を取り入れた協調学習を行い,避難所での健康問題について予防・解決していく方法を発表し,どのグループが一番効果的な方法であるかを投票で決定した.そして,その発表内容をもとに普段から活動している児童委員会ごとの別のグループに再構成し,普段の活動に取り入れながら児童委員会として避難所でどのように活動していくかを発表した.授業の実施前後で知識・思考力の変化を調査した結果,知識の向上とヘルスリテラシーが身に付いたことが示された.