2018 年 41 巻 Suppl. 号 p. 073-076
本研究は,大学生のグループ活動を対象として,自分およびグループメンバーの感情的エンゲージメントがグループ活動中の発言や学習成果の認知に及ぼす影響について検討した.四年制大学の学生171名に質問紙調査を実施した.重回帰分析の結果,自分およびグループメンバーの感情的エンゲージメントの交互作用効果が示された.具体的には,自分の感情的エンゲージメントが低い場合,グループメンバーの感情的エンゲージメントを高く認知するほど,学習内容に関連する発言の頻度が下がり,学習を通した友人との交流についての成果も低く感じてしまうことが示唆された.本研究の結果に基づき,グループ活動を行う際の留意点について,動機づけの観点から考察した.