日本教育工学会論文誌
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児童期の読解モデルの構築とその妥当性の検証
川﨑 聡大奥村 智人中西 誠川田 拓水田 めくみ若宮 英司
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キーワード: 読解力, 限局性学習症, 語彙
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2020 年 43 巻 Suppl. 号 p. 161-164

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抄録

包括的領域別読み能力検査を用いて読みや語彙,統語といった読解に関与する言語モジュールを包含した読解モデルの構築を試み,多母集団同時解析によるモデルの交差妥当化を行った.その結果,一般化可能な読解モデルとして緩やかな線形構造をもった相互干渉モデルが示された.今後の学習の苦手さに対する介入やICT の活用の方針立案や効果測定において重要な知見を得た.また特徴的な結果として語彙力が「語彙の量」と「意味の活用」の二つの観点でそれぞれ読解力に異なる影響を与えていることが明らかとなり,読解力向上のための語彙指導を考える上で有意義な知見を得た.

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© 2019 日本教育工学会
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