論文ID: 43098
本研究では,国内の中学生を対象としたサマーキャンプを取り上げ,社会情動的スキルに与える効果を,個人特性との関係性に着目しながら検証することを目的とする.UWC ISAK Japanのサマースクールを対象として,基本属性,パーソナリティ特性に関する事前質問紙調査を,社会情動的スキル(Social Emotional Competence Questionnaire)に関する事前事後質問紙調査を実施し,47名の有効回答を分析した.本研究の結果,社会情動的スキルを育成するためのプログラムとしてUWC ISAK Japanのサマースクールは有意な効果が認められたほか,協調性や開放性が低い生徒,また日本人および日本在住者と社会情動的スキルの変化量とに正の相関がみられた.これにより,自由参加型のサマーキャンプにおいては,参加者の個人特性によってプログラム効果の度合いが異なる可能性が示された.