論文ID: S45002
博士論文の体裁や公表,その利用に係る実状と課題を明らかにするための事例研究として,2013年4月以降に九州大学が公開した博士論文の書誌情報と全文ファイルのページ数,閲覧回数を解析した.論文の執筆言語を分野別に見ると,理系分野ほど英語の論文が多く,文系分野ほど日本語の論文が多い傾向が見られた.一方,学術分野のように審査部局によって言語の選択状況が異なる事例もあった.論文ファイルのページ数は,特に文学,教育学,法学の各分野で多くなる傾向が見られた.言語別のページ数に有意な差は認められなかった.言語別の論文の閲覧回数については,英語論文1編当たりの閲覧回数が日本語論文の閲覧回数を大きく下回る結果となった.