森林利用学会誌
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論文
森林機械化作業のための地理的条件の評価 : 路網から作業対象域までの到達距離の分布の検討
井上 源基岡 勝広部 伸二山田 容三
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ジャーナル オープンアクセス

2001 年 16 巻 1 号 p. 3-14

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抄録

本研究は,森林作業に対する森林内の人や機械の移動現象を前提として森林内の路網と伐区などの対象域の相対的位置関係について検討した。特に多様な形態を有する対象域と路網の関係に対し,域内の各点から路網までの到達距離の分布関数について考究し,到達距離比の分布関数を基礎とした到達難易の分類を試みた。その結果,不定形対象域から路網への到達距離の分布関数として到達距離パラメータ(z)を含む一般式が提示でき,その分布曲線の曲率係数(k)やzにより対象域の形状などを考慮に入れた到達性の評価を可能にした。また域内の到達距離が最大到達距離に対して1/3以下の場所および2/3以上の場所の面積比率をそれぞれp,qとし,F_s=(1-p+q)/2で定義された到達距離指数を提示することにより,F_sと平均到達距離S_mの関係およびpとqの関係などを明らかにした。さらに対象域と路網に対する路網配置係数(f値)について言及し,fとzおよびkとの関係式としてf=1+2|k_t|を得た。

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© 2001 森林利用学会
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