森林利用学会誌
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論文
高性能林業機械作業における作業時間と作業特性に関する基礎研究
井上 公基池田 健一石垣 逸朗長谷川 徹也
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ジャーナル オープンアクセス

2002 年 17 巻 1 号 p. 15-22

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抄録

精神的作業負担を軽減させるためには,機械の操作性を向上させるだけにとどまらず,作業者の目や耳などの感覚器の連続的な緊張状態を軽減させる作業方法を検討する必要がある。本研究は,これら感覚器の連続的な緊張状態を生じる作業要素を見出すため,高性能林業機械作業現場のデータを元に,作業時間と作業手順の関係から作業改善点を検討した。その結果,高性能林業機械作業の各要素作業の所要時間をヒストグラムで表すことにより,I型のパターンに集約されることが明らかになった。本パターンの特性は,高性能林業機械作業が人力を伴う従来型森林作業に比べて,作業時間の短縮と作業の単純化に伴う典型的なものと考えられた。また,各要素作業が比較的短い時間で連続して行なわれるために,ヒストグラムの形状特性から,作業者個々の作業特性や作業の難易度を把握することが可能である。一方,作業手順は,各工程の要素作業が複雑に結びつくものと,独立した工程を単純に繰り返す2つのパターンが存在することが明らかになったが,どの要素作業においてもI型の作業特性を有することから,特に作業間の結びつきから判断すると「材なし旋回」が作業の単調性や感覚器の連続的な緊張状態を生じさせ,作業に不都合を引き起こす可能性が高い要素作業と考えられた。

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© 2002 森林利用学会
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