森林利用学会誌
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論文
林内でのGPS単独測位におけるマスク設定の有用性
米津 克彦長谷川 尚史
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キーワード: 単独測位, マスク設定, 仰角, SNR, PDOP
ジャーナル オープンアクセス

2004 年 19 巻 1 号 p. 35-42

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抄録

林内でのGPS単独測位におけるマスク設定の有用性についての検討を行った。林内において仰角マスクによる測位誤差の減少はみられなかった。胸高断面積合計が大きい林分では,必ずしも開放地における仰角マスクの推奨値が適していない。SNRマスクは,通常使われているマスク設定では測位誤差の減少はみられなかったが,測位誤差とSNR値の平均の間に有意な関係がみられた。PDOPマスクは林内では測位成功率を低下させるが,最も誤差減少の効果が高かった。測位誤差に影響をおよぼす要因を特定するために重回帰分析を行ったところ,開放地においては4衛星の仰角,林内においてはSNR値の平均とPDOP値が有意となり,重回帰式の決定係数は最大で0.45となった。選択された変数を用いてマスク設定を行った結果,平均測位誤差は開放地では40%,林内では35%減少した。本研究の結果,SNR値の平均とPDOP値を用いることで林内での精度管理の手法確立が可能であることが明らかになった。

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© 2004 森林利用学会
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