森林利用学会誌
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論文
林地保全型無人輸送システム(ACS)の開発
陣川 雅樹山口 浩和吉田 智佳史古川 邦明山田 容三小林 洋司佐竹 利昭蓬莱 圭司稲垣 忠弘上田 光男内山 研史
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2005 年 20 巻 3 号 p. 151-162

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抄録

急傾斜地における間伐材搬出作業の省力化・効率化,および新しい森林基盤整備技術の確立を図るため,林地保全型無人輸送システム(ACS)の開発を行った。本システムは,傾斜方向に敷設する幹線システムと等高線方向に敷設展開する支線システムから構成され,木寄せ・積込作業以外の搬送・運材作業はすべて無人で行う。現地導入・集材試験を実施した結果,幹線レール敷設作業の占める時間は全作業の3.6%に過ぎず,支線システムは22.9%,集材作業は73.5%であった。支線システムの要素作業では支柱打ち込み作業が約5割,集材作業では木寄せ作業が約5割を占め,改善の必要性が示唆された。また,幹線システムと支線システム,集材作業と支線走行時間の間に発生する待ち時間から,システムの改善が指摘された。一方,幹線レールの路線配置に関して,既存のモノレールと同様に高低差を稼ぐ方法で配置すると作業性に影響を及ぼすことが明らかとなった。ACSの場合,支線システムによる集材面域と積換え場所の選定を先行して行い,これらのポイント間を幹線レールで結ぶルート選定が必要である。

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© 2005 森林利用学会
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