2011 年 26 巻 3 号 p. 157-162
本研究では,森林施業をおこなうために高密で,かつ,様々な長所をもった循環路網を形成する自動路網配置プログラムを構築し,集材などの作業や交通利便性に関する指標を使って,実際に対象地で開設されている路網と比較,検討した。Dijkstra法を使って,林分への到達を目的とする等高線に直交する基幹作業道は,尾根や谷などの地形に沿って配置し,作業を目的とする等高線に沿った支線作業道は,一定の間隔で配置して循環路網を形成する路網配置手法を検討した。このとき,基幹作業道の開設順位をランダムに変えて路網全体の収益を分析し,より収益の大きい路網配置とする適正化をおこなった。また,基幹作業道の到達点数を減らし,路線数を制限することで路網密度の調節をおこなった。適正化をおこなうことでより収益の大きな路網配置となった。また,路網密度を調節することにより,作業範囲の重複を解消した。その結果,作業道開設量あたりの収益が増加する路網配置を探索することができた。