森林利用学会誌
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論文
2立木間で発生したかかり木の元玉切りによる処理の可能性
松本 武湯山 孝志岩岡 正博
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2017 年 32 巻 1 号 p. 25-

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抄録

元玉切りによるかかり木処理の安全性を明らかにすることを目的として,ヒノキ林分において,隣接2立木の樹冠に接触して発生させたかかり木の元玉を段階的に鋸断する試験を行った。試験で発生させたかかり木44本のうち,元玉切りによって伐倒方向に倒伏したのは16例,かかり木は解消したが,横方向や伐倒方向とは反対側に倒伏したのは15例,元玉切りでは倒伏しなかったもの13例であった。かかり木が水平となす角度が60度を超えると,横方向や伐倒方向とは反対方向に倒伏する例が見られた。けん引により元口を移動させる方法と比較すると,元口が斜面上を移動する距離には差がなく,元玉落としによる予定方向への倒伏の成功例は全体の3割強,予定方向以外への倒伏を合わせても7割にとどまり,かかり木処理方法としての優位性は確認されなかった。

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