2019 年 34 巻 3 号 論文ID: 34.123
本研究は林業機械のリスクアセスメントに資する基礎的データを作成するために,8機種の林業機械を対象に,2003年から2011年までの統計資料を用いて,労働災害の発生頻度を推定した。推定結果より,発生頻度が最も高い機械は,スイングヤーダであり,日本の全産業の平均値以下を示した機械は,ハーベスタ・プロセッサ・スキッダ・フェラーバンチャであった。各林業機械を使用した作業システムでは,タワーヤーダを使用したシステムの度数率が高く,スキッダを使用したシステムが低いことが分かった。多くの作業システムで使用されるグラップルローダは,作業範囲内に人がいることが原因の災害が5割以上あるため,この災害をなくすことができれば,日本の全産業の平均値以下になることが分かった。