森林利用学会誌
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速報
刈払機の飛散物防護カバーの改良
伊藤 元貴矢部 和弘今冨 裕樹
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2020 年 35 巻 4 号 論文ID: 35.209

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抄録

本研究では,飛散物防護カバーと刈刃の間に草が絡まる現象の特性を解明し,草が絡まりにくい飛散物防護カバーの形状を考察することを目的とした。下記条件下において,15分間の刈払作業を行い,刈刃と飛散物防護カバーの間に草が絡まり刈刃が停止した回数をカウントした。絡まった草は回収し,草丈,茎直径,重量,弾性率を計測した。植生条件はササ,ススキ,ツルの3条件,飛散物防護カバーの形状は従来型(カバーA),ギアケース被覆型(カバーB),上部開放型(カバーC)の3条件,刈刃回転数は5000 rpm,6000 rpm,8000 rpmの3条件とした。草が絡まり刈刃が停止した回数は,ササはカバーA,5000 rpmで3回,ススキはカバーB,6000 rpmで1回,ツルはカバーA,5000 rpmで3回,カバーB,5000 rpmで2回,カバーC,5000 rpmで3回であった。ツルは,群落全体の弾性率と比較し,絡まった草の弾性率はカバーAで1.3倍,カバーBで約1.7倍,カバーCで約2.0倍であった。カバーBおよびカバーCは,カバーAと比較し草が絡まった回数が少なかった。また,ツルは弾性率の小さい草は絡まらなかった。以上により,カバーBおよびカバーCは草の絡まり防止に効果があったといえる。

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© 2020 森林利用学会
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