今回の調査は,森林作業における雇用形態の違いにより作業負担や作業者の意識がどのように違うのかを研究対象とし,若い森林作業就業者の確保や育成時の問題点について考究したものである。その結果,森林作業者は林業や森林に対して愛着や自然に接することの喜びなどから職業を選択している。しかし収入面に対し不安感を持っている。作業者は,作業前に慢性的な腰の痛みとか肩こりなど疲労蓄積を有し,作業後においてもストレス感や疲労自覚症状訴えなどの増加が認められた。作業中のヒヤリハットの出現は,休憩時間や作業前の疲労自覚症状訴え率さらに傾斜や足場の状態と高い相関のあることが示された。休憩時間については,任意に休憩時間が取れそうで,取れないこともあり,休むきっかけをつくるための,休憩時間の目安とその合図(指示)を行う役割分担をあらかじめ決めておくことも安全作業を遂行する上で必要であることなどが示唆された。