高把式チェーンソーの振動特性を明らかにするために,中国製高把式2機種と中国製および日本製低把式3機種を取り上げ,ハンドル部位における振動加速度を,作業者がそれを把持した状態で測定し,比較,検討した。その結果,以下の点が明らかになった。高把式の振動加速度は,日本製のみならず,中国製低把式よりも高い値を示した。そして,振動加速度は,エンジン回転数の増加につれてほぼ直線的に増加し,その増加の様子は,振動方向が同じであれば,左・右両ハンドルでほぼ同様の傾向を示した。また,振動スペクトルをみると,振動加速度の最大値は,エンジン回転の基本周波数f。(Hz)ではなく,2f。〜6f。などにある場合が多く,さらに,500Hz前後およびそれ以上の高周波数成分がかなり顕著であり,低把式とはかなり異なる振動特性を示した。これらの特性を示した主な原因は,その防振機構に問題があると考察された。