森林利用研究会誌
Online ISSN : 2432-5996
Print ISSN : 0912-960X
論文
高把式チェーンソーの振動特性 : 低把式との比較
孔 徳剛藤井 禧雄
著者情報
ジャーナル フリー

1994 年 9 巻 2 号 p. 19-30

詳細
抄録

高把式チェーンソーの振動特性を明らかにするために,中国製高把式2機種と中国製および日本製低把式3機種を取り上げ,ハンドル部位における振動加速度を,作業者がそれを把持した状態で測定し,比較,検討した。その結果,以下の点が明らかになった。高把式の振動加速度は,日本製のみならず,中国製低把式よりも高い値を示した。そして,振動加速度は,エンジン回転数の増加につれてほぼ直線的に増加し,その増加の様子は,振動方向が同じであれば,左・右両ハンドルでほぼ同様の傾向を示した。また,振動スペクトルをみると,振動加速度の最大値は,エンジン回転の基本周波数f。(Hz)ではなく,2f。〜6f。などにある場合が多く,さらに,500Hz前後およびそれ以上の高周波数成分がかなり顕著であり,低把式とはかなり異なる振動特性を示した。これらの特性を示した主な原因は,その防振機構に問題があると考察された。

著者関連情報
© 1994 森林利用学会
前の記事 次の記事
feedback
Top