森林計画学会誌
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クロマツの肥大成長と年輪構造(I) : 高知地方の気候因子と年輪幅および晩材幅との関係
藤原 新二
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1997 年 28 巻 p. 23-28

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抄録
高知県の太平洋沿岸に植栽されたクロマツについて気候因子(降水量,気温)と年輪幅および晩材幅との関係を重回帰分析によって解析した。年輪幅に対しては3月,11月,前年3月の降水量および6月,前年6月と同10月の温度が正に寄与し,9月,10月の降水量および4月,7月,前年9月の温度が負に寄与していた。晩材幅に対しては8月,前年4月と同8月の降水量および11月,前年3月と同7月の温度が正に寄与し,前年11月の降水量および前年6月の温度が負に寄与していた。高知地方は樹木の成長期間中が温暖で雨量が多いために,成長の盛んな時期の気候よりもむしろ成長前あるいは成長初期および成長後期の気候が年輪幅に強く影響していることが認められた。
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© 1997 森林計画学会
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