太平洋側のヒノキ人工林において,皆伐後の再造林地で下刈りの省略が木本類の侵入に及ぼす影響を調べるため,下刈りを通常の6年間行った区,はじめの3年間のみ行った区を設置し,林齢4年生から11年生時までの木本類の侵入過程を調査した。再造林地では重力散布型樹種の侵入は見られず,風散布型,鳥散布型の樹種が更新した。11年生時において下刈6年区ではヒノキと広葉樹との階層の分化が明確になっていたが,下刈3年区ではヒノキの平均樹高は下刈6年区より低く,侵入した広葉樹がヒノキの平均樹高を上回り,植栽木の成長が妨げられている場所も見られた。しかし,侵入した広葉樹の多くは低木種であり樹高成長も高木種より勝っていた。