日本森林学会誌
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論文
SDGsのローカライゼーションに関する考え方の提案
―六甲山の森林管理と地域活性化を事例として―
田畑 智博 周 俊男大野 朋子村山 留美子井口 克郎片桐 恵子
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2021 年 103 巻 1 号 p. 33-39

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抄録

SDGsに示された17目標・169ターゲットを実行することは,地方自治体にとって重要なことである。一方で地方自治体は優先すべき施策があり,SDGsに新たに取り組む余力が乏しい自治体も存在する。そこで本研究では,SDGsを地方自治体の施策にローカライゼーションするためのアイディアを提案した。先ず,日本の森林管理に関する施策を事例として,日本政府のSDGs関連施策との関連性を整理した。続いて,森林施策に関する国連のSDGsの目標・ターゲットを,エキスパートジャッジにより抽出した。11目標・20ターゲットが抽出されたが,これらはあらゆる施策を対象としたものであるため,地方自治体が森林管理に使用しやすいように目標・ターゲットの文言を変換した。SDGsの目標・ターゲットの変換の作業を通じて,森林管理の政策との関係性を可視化した。また,森林管理に関係する目標の実施に係る優先順位を決定するため,地域住民を対象としたアンケート調査と一対比較により各目標の重要度を測定した。結果として,水資源や生物多様性に関する目標が重要視されていることがわかった。

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© 2021 一般社団法人 日本森林学会
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