日本森林学会誌
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論文
段階的OffJTとOJTの組み合わせによる林業技能者養成システムの提案
村瀬 啓子山田 容三
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2006 年 88 巻 4 号 p. 264-273

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抄録
既往の研究から明らかになっている段階的OffJTとOJTを組み合わせるという林業技能者養成システムの枠組みを土台に, 本研究では林業技能者の技術習得過程に合わせて着実に技術レベルのステップアップを図る養成システムの提案を目標としている。本論文では林業技能者の知識・技術の習得の実態を明らかにすることを目的としてアンケート調査を実施し, OffJTで習得する知識・技術とOJTで習得する知識・技術の分類や林業技能者が実際に知識・技術を習得していく過程の解明等を行った。その結果, OffJTは基礎中心, OJTはその実践と応用という役割分担の構図が浮かび上がり, 指導はおよそ3年のうちに造林作業中心の内容から林産作業中心の内容という流れで行われていることが明らかになった。また, 回答者を取り巻く諸事情が結果に与えている影響について考察したところ, 機械の保有台数の多少により指導を行うタイミングに有意な差があることが確認され, 林業事情に合わせた養成システムの提案を行った。
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© 2006 一般社団法人 日本森林学会
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