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日本森林学会誌
Vol. 89 (2007) No. 4 P 241-248

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http://doi.org/10.4005/jjfs.89.241

論文

マツ材線虫病に高い抵抗性を示すマツ個体を得るには,抵抗性機作に基づいた母樹の選別が必要である。そこで抵抗性クロマツ8家系について樹体内のマツノザイセンチュウ(以下線虫)の移動,増殖,病徴進展の家系間差を40∼50日間調べた。播種後16カ月の苗の根元に線虫を接種した場合,波方-ク73号以外の家系では病徴発現と線虫増殖が高率で認められ,線虫の活動が抑制されずに発病したと推測された。播種後28カ月の苗の梢端に接種すると,多くの家系では主幹下部と根の線虫密度が低いまま推移した。特に三崎ク-90号は線虫の活動が著しく阻害され,病徴発現個体は少数で,16カ月時とは異なる結果であった。月齢16カ月程度の若い苗の根元への接種では,線虫の移動に対してマツの抵抗反応が遅れをとり,線虫の活動に対する阻害が不十分であったと推測された。齢(樹高)が上がると線虫の活動を強く抑制する家系があることから,抵抗性個体の選抜や実生苗の抵抗性検定では,供試苗の樹高や齢について考慮する必要がある。

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