J-STAGE トップ  >  資料トップ  > 書誌事項

日本森林学会誌
Vol. 89 (2007) No. 6 P 416-430

記事言語:

http://doi.org/10.4005/jjfs.89.416

総説

広葉樹林の転換がパッチレベルおよびランドスケープレベルで鳥類に及ぼす影響を,人工林への転換に重きを置いて整理し,その影響の緩和手法を提案した。広葉樹林の人工林への転換に伴う,広葉樹林パッチ面積の縮小,広葉樹林の消失と分断化は,鳥類の種数・密度を減少させる。広葉樹林の消失と分断化の影響は,広葉樹林の消失が進行するほど強くなる。人工林はこれまで,生物にとっては同質な非生息地(マトリックス)としてとらえられ,生物多様性の保全上無視されてきた。しかし,林分構造と樹種組成が複雑な人工林は多くの鳥類の生息地として機能する。したがって,広葉樹林の人工林への置き換えによる鳥類への影響は,人工林の林分構造と樹種組成を複雑化することによって緩和することができると考えられる。人工林の林分構造と樹種組成の複雑化は,長伐期施業や強度の間伐,間隔を空けた植栽,広葉樹や粗大有機物の維持,保残伐によって達成することができるだろう。最後に,生物多様性の保全に配慮した森林管理手法を発達させるための今後の課題をいくつか挙げた。

Copyright © 2007 一般社団法人 日本森林学会

記事ツール

この記事を共有