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日本森林学会誌
Vol. 92 (2010) No. 3 P 145-150

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http://doi.org/10.4005/jjfs.92.145

論文

ヒノキ人工林における地表の被覆物が浸透能に及ぼす影響を明らかにするために, 急峻な斜面の14地点で振動ノズル式散水装置による浸透能試験を行って最大最終浸透能を測定し, 下層植生をはじめとする地表の被覆物との間で回帰分析を行った。得られた最大最終浸透能は5∼322 mm h−1 であり, 最大最終浸透能と下層植生量, 植被率との間に有意な正の線形関係が認められた。植被率が50% を下回ると最大最終浸透能は45 mm h−1以下と低くなり, 自然降雨下においてホートン型地表流の発生する可能性の高いことが示された。また, 植被率をブラウン-ブランケの被度指標で読み替えた場合でも, 被度3以下で最大最終浸透能が急激に低下することが示された。本研究の結果から, 急峻なヒノキ林斜面では下層植生で被覆された地表面で高い浸透能を維持できること, また下層植生の被度区分を浸透能の指標とできる可能性が示唆された。したがって, ホートン型地表流を抑制する観点から浸透能の目標値を設定し, 下層植生の被度調査によってヒノキ林の荒廃度を評価できる可能性があり, 下層植生を指標とした水土保全機能の評価に基づいた, 施業計画の策定につながることが期待できる。

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