抄録
集材架線・索道軌索の設計上考慮すべき衝撃係数値については,諸因子との関係等未だ不明の点が多々あるので,筆者はここにいくつかのモデルを想定し,索張りとして既報に述べた適正値を採用したとき考慮すべき衝撃係数値につき理論的に検討する。係数値を与える方程式は,架空索のポテンシャル・エネルギー理論3)を適用し,エネルギーの関係より誘導する。算定結果はFig. 1-4のとおりである。Fig. 1, 2は荷の吊り上げ・降下の際のもので, Fig. 2は荷の横取りの際のものに相当する。Flg. 3は急激荷重を受ける際のもので, Fig. 4は慣用の実用式6)と類似の意味をもつモデルについての算定結果を示す。前2者の衝撃については,衝撃の運動エネルギー I=pa2/2gのほか支間長lが空要因子となり,これに次ぐものとして荷重張力比rdがあげられる。後2者の衝撃については,rdが主要因子となり,これに次ぐものとしてlがあげられる。