日本林学会誌
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スギ同齢林における相対幹曲線の変動について
梶原 幹弘
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1972 年 54 巻 10 号 p. 340-345

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抄録
本研究は,立木での利用可能な丸太量の推定法の開発を最終目標として行なったものである。幹曲線の集約を容易にするために,相対幹曲線という形でこれをとらえた。相対幹曲線というのは,樹高と梢端から樹高の9/10の位置の直径をそれぞれ1として,これらに対する相対値を用いて表現したものである。
資料としては,いくつかの地方から選んだ合計31の林分での総計1,211本の伐倒区分求積木における測定結果を用いた。
確かめられた事実はつぎのとおりである。
(1) 同一林分内では,各樹木の相対幹曲線の形は樹幹の大きさとは無関係に近似している。
(2) 林分相対幹曲線は地方間で差異を示すとともに,同一地方にあっても林分間でかなり違っている。
(3) 林分相対幹曲線は林分正形状商万〓0.5によってほぼ完全に定まる。
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