日本林学会誌
Online ISSN : 2185-8195
Print ISSN : 0021-485X
道路側溝での両生類の転落死防止方法
大河内 勇大川畑 修倉品 伸子
著者情報
ジャーナル フリー

2001 年 83 巻 2 号 p. 125-129

詳細
抄録

道路側溝への両生類の転落死は両生類減少の一因として問題とされている。それを防止するために, 簡易な後付けスロープ型脱出装置をつけた場合の効果, 脱出装置の改良方法を調べた。スロープ型脱出装置をつけた場合, アズマヒキガエルでは側溝からの脱出数が多くなるという効果がみられたが, ニホンアカガエルでは装置がなくともジャンプによる脱出が可能なため効果はわからなかった。脱出装置は, 一部の種とはいえ効果があるので, 道路側溝につけるべきである。移動力の弱いアズマヒキガエルの幼体を用いた脱出装置の改良実験では壁面の角度が30度以下になると, 壁面が乾燥条件でも全個体脱出できた。これらから, 100%脱出可能な側溝は, 角度が30度より浅いV字溝になることを示した。

著者関連情報
© 日本森林学会
前の記事 次の記事
feedback
Top