総合病院精神医学
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原著
国立国際医療研究センター病院における精神疾患合併妊婦と出生児の管理の検討
─精神科リエゾンから─
蟹江 絢子吉川 正孝大谷 恭平関 由賀子今井 公文水主川 純
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2011 年 23 巻 2 号 p. 167-171

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抄録

対象:2007年1月1日から2009年12月31日の3年間に,当院で分娩した精神疾患合併妊婦32例(全分娩件数の1.9%)とした。結果:母体平均年齢は30.1歳,当院産科初診時妊娠週数は平均23.3週であった。精神科診断はICD-10で分類するとF1:1例,F2:6例,F3:10例,F4:11例,F6:4例であった。人工乳が9例であり,その主な理由は向精神薬内服継続であった。小児科入院を要した児は15例であり,主な理由は早産低出生体重児,離脱症候群疑いであった。施設(婦人保護施設,乳児院)に入所した群(n=10)は入所の必要性のなかった群(n=22)に比べ,若年,未入籍,当院産科初診時妊娠週数が遅いものが多かった。結語:当院の精神疾患合併妊婦は1.9%であり,既報告より少なかった。周産期管理を含めて,産科と精神科と小児科と福祉職員の連携が重要である。

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© 2011 一般社団法人 日本総合病院精神医学会
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