総合病院精神医学
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症例
抗NMDA受容体抗体が陽性であった脳炎,統合失調症,精神症状を伴うナルコレプシーの症例
筒井 幸神林 崇田中 恵子朴 秀賢伊東 若子徳永 純森 朱音菱川 泰夫清水 徹男西野 精治
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2012 年 24 巻 1 号 p. 40-50

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抄録

近年,統合失調症の初発を想定させる精神症状やジスキネジア,けいれん発作,自律神経症状や中枢性の呼吸抑制,意識障害などの多彩な症状を呈する抗NMDA(N-メチルD-アスパラギン酸)受容体抗体に関連した脳炎(以下,抗NMDA受容体脳炎と略する)の存在が広く認められるようになってきている。若年女性に多く,卵巣奇形腫を伴う頻度が比較的高いとされている。われわれは合計10例の抗NMDA受容体抗体陽性例を経験し,これを3群に分類した。3例は比較的典型的な抗NMDA受容体脳炎の経過をたどり,免疫治療が奏効した。他の7例のうち3例は,オレキシン欠損型のナルコレプシーに難治性の精神症状を合併しており,抗精神病薬を使用されていた。また,残り4例に関しては,身体症状はほとんど目立たず,ほぼ精神症状のみを呈しており,病像が非定型であったり薬剤抵抗性と判断されm-ECTが施行され,これが奏効した。

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© 2012 一般社団法人 日本総合病院精神医学会
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