総合病院精神医学
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総説
精神科救急・合併症入院料制定の意義と課題
佐藤 茂樹
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2013 年 25 巻 4 号 p. 346-353

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抄録

平成20年(2008年)に新設された精神科救急・合併症入院料は,総合病院精神科にとって入院収入を大幅に増加させることのできる画期的な入院料となった。精神科救急・合併症入院料は,平成14年(2002年)に新設された精神科救急入院料の総合病院版であるが,この複雑な施設基準をもつ入院料の成立の起源は,昭和33年(1958年)の厚生事務次官通達(いわゆる精神病院特例)に起因する総合病院における一般病棟と精神病棟の別建ての入院料の設定,さらには昭和25年(1950年)に制定された精神衛生法の指定病院制度にまで遡ることができる。算定のための施設基準には種々の条件があり,平成25年9月現在この入院料を取得している病院は全国で9カ所にとどまっている。今後この入院料を超えて,5疾病5事業の時代にふさわしい,総合病院にとって精神科病棟を有することがメリットになるような診療報酬上の改定が行われることが期待される。

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© 2013 一般社団法人 日本総合病院精神医学会
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