総合病院精神医学
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原著
がん診療におけるアウトリーチ活動
─精神腫瘍医を中心とした緩和ケアチームの往診活動を通じて─
竹内 文一
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2014 年 26 巻 4 号 p. 374-381

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抄録

地域には精神症状に悩むがん患者や家族が潜在し,地域の医療従事者の多くも精神症状に困っている。神奈川県西部地域の医療従事者に対するアンケート調査において,精神心理的ケアで困った経験のあるものは90%を超え,精神腫瘍医の自宅往診を求める声は8割にのぼった。これに応じて,われわれは‘精神症状に主眼を置いた緩和ケアチームの在宅往診’を2011年より開始した。3年間で50件の依頼を受け,43カ所の地域医療従事者と協働して100回を超える往診を行った。 70%にせん妄,60%に不眠を認め,家族にも程度の差はあるが多様な精神症状が発現していた。低活動型せん妄については全例見逃されており,現場での情報共有と並行して適切な教育が急務である。 われわれの在宅往診により地域の医療従事者の不安は7割近く軽減したが,今後の予測やスタッフケアについてはさらに満足度を上げる工夫が必要である。

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© 2014 一般社団法人 日本総合病院精神医学会
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