2015 年 27 巻 2 号 p. 131-138
コンサルテーション・リエゾン精神医療において必要とされている心理的介入にはさまざまなレベルのものがある。また,治療の中心が身体科である点や多職種チームで関わっている点などを考慮した工夫も必要である。段階的ケア・モデルを用いることによって,必要とされている心理的介入に応じて,チームメンバーの役割を整理できる可能性がある。本報告では,当院のリエゾンチームに依頼があり,心理的介入を行った症例について,段階的ケア・モデルの基準に照らし合わせて各レベルに相当すると考えられる症例を,1レベルにつき1症例ずつ紹介した。今回の4症例はすべて臨床心理士が心理的介入を行った。段階的ケア・モデルに準じて整理すると,レベル1や2相当の症例は身体科スタッフや専門看護師によって対応可能であることは明らかであった。それを可能にするためには,段階的ケア・モデルに基づき各医療者が心理的介入についての知識や技術を身につける教育システムの整備が必要となる。