総合病院精神医学
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原著
腎移植を受けた小中学生の抑うつとQOL
井上 敦子大下 隆司小林 清香岡部 祥近本 裕子清水 悟西村 勝治服部 元史石郷岡 純
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2016 年 28 巻 2 号 p. 156-166

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抄録

腎移植後の小児・思春期レシピエントの抑うつ症状を測定し,QOLとの関係を検討した。 郵送の自記式アンケート調査を行い,35人を分析対象とした(7〜15歳,小学生22名,中学生13名,移植後経過年数4.2±2.9年,生体移植74.3%)。抑うつをBirleson自己記入式抑うつ評価尺度 (DSRSC),QOLを日本語版KINDLによって測定した。全体の14.3%,小学生の13.6%,中学生の15.4%が高うつ群と判定された。小学生で学校生活のQOL下位領域が健常群標準値よりも低く,中学生で自尊感情のQOL下位領域が標準値より高かった。抑うつ得点が高い群は低い群よりも有意にQOL総得点が低かった。高い抑うつは将来的な大うつ病のリスク要因であり,移植後の予後やアドヒアランスに悪影響を及ぼす。小児・思春期患児の抑うつや関連するQOL領域に注目することが重要と考えられた。

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© 2016 一般社団法人 日本総合病院精神医学会
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