日本消化器外科学会雑誌
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Print ISSN : 0386-9768
症例報告
Paclitaxel投与により長期生存中のびまん性悪性腹膜中皮腫の1例
松本 健太郎上原 智仁平田 敬治永田 直幹山口 幸二
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42 巻 (2009) 5 号 p. 606-610

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抄録

 症例は34歳の女性で,平成14年11月上旬より食事や月経と関連性のない下腹部痛が出現し近医受診.腹水を伴う骨盤内腫瘤を指摘され,12月当科紹介入院となった.入院時検査所見でCA19-9,CA125の上昇を認めた.超音波検査,CTにて,子宮腹側,膀胱頭側に10×7 cmの辺縁不整な腫瘤を認めた.子宮,卵巣とは境界明瞭で,周囲骨盤内臓器への明らかな浸潤は認められなかった.骨盤内腫瘤の診断にて手術を施行したところ,S状結腸近傍腹膜より有茎状に隆起する表面結節状の弾性硬な10 cm大の腫瘍を認め,主病変であるこの腫瘍のみ摘出した.子宮,卵巣は正常形状なるも表面に播種様小結節を認め,ダグラス窩にも多数小結節を認めた.病理組織学的検査にてびまん性悪性腹膜中皮腫と診断された.術後3週連続投与1週休薬を1サイクルとするweekly paclitaxel投与を5クール施行したところ,腫瘍マーカー,画像検査所見とも正常化した.現在術後5年2か月無再発生存中である.

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