日本消化器外科学会雑誌
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Print ISSN : 0386-9768
症例報告
非観血的内瘻術により治癒した膵頭十二指腸切除術後の完全外膵液瘻の1例
渋谷 雅常寺岡 均中尾 重富玉森 豊新田 敦範
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43 巻 (2010) 1 号 p. 61-65

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抄録

 膵頭十二指腸切除後の膵液瘻は治療に難渋する合併症の一つである.膵液瘻の多くは保存的に軽快するが,完全外膵液瘻の場合,自然軽快は期待できない.瘻管消化管吻合術などの外科手術などが報告されているが手術の難易度も高いことが多い.今回,膵頭十二指腸切除術後に発生した難治性膵液瘻に対して非観血的に内瘻化し良好な結果が得られたので報告する.症例は77歳の女性で,膵管内乳頭粘液性腫瘍の診断で膵頭十二指腸切除術を施行した.術後わずかに膵液瘻を認めていたが軽快したため,術後21日目に膵管チューブを抜去した.その後よりドレーン排液量が増加したため,ドレーン造影を施行したところ,主膵管と腸管の交通が消失しており完全外膵液瘻と診断し,自然治癒は不可能と判断,X線透視下にドレーン瘻孔より挙上空腸を穿刺し,非観血的内瘻術を施行した.経過は良好で,内瘻化後より約1週間で退院し,約3か月後に内瘻化チューブを抜去,膵液瘻は閉鎖した.

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