日本消化器外科学会雑誌
症例報告
腹腔鏡下に診断,治療が行えた穿孔性回腸重複腸管の1例
宮井 博隆早川 哲史清水 保延田中 守嗣谷村 愼哉山本 稔森本 守坪井 謙佐藤 崇文斉藤 健太
著者情報
ジャーナル フリー

43 巻 (2010) 3 号 p. 264-269

詳細
PDFをダウンロード (970K) 発行機関連絡先
抄録

 症例は38歳の男性で,突然の腹痛を主訴に当院救急外来を受診した.腹部全体に圧痛,反跳痛を認め,腹部は板状硬であった.腹部CTでは臍のやや左側に炎症を伴った直径約4 cmの嚢胞様腫瘤構造と,微小な腸管外のガスを認めた.Meckel憩室穿孔による急性汎発性腹膜炎と診断し,同日緊急腹腔鏡下手術を施行した.腹腔鏡で観察すると,回腸末端から約80 cmの腸間膜側に嚢胞様腫瘤を伴う憩室が存在し穿孔していた.回腸部分切除術,虫垂切除術を施行した.病理組織学的検査から,嚢胞様重複腸管の内部には異所性胃粘膜が一面に存在していたが,正常腸管との連続性は認められなかった.正常腸管と連続する憩室部では異所性胃粘膜を認めなかったが腸管穿孔を来していた.穿孔性腹膜炎を契機に発症し,腹腔鏡補助下腸切除を行えた成人の穿孔性回腸重複腸管を経験した.いくつかの文献的考察を加えて報告する.

著者関連情報
前の記事 次の記事

閲覧履歴
feedback
Top