43 巻 (2010) 9 号 p. 958-963
症例は74歳の女性で,1か月前より左下腹部痛を自覚するようになり当院消化器内科を受診した.血液検査では炎症反応の上昇を認め,腹部超音波検査で下行-S状結腸移行部に結腸と連続した低エコー病変を認めた.CTでS状結腸の一部が憩室状に拡張し,壁肥厚と周囲の脂肪織の濃度上昇を認めた.下部消化管内視鏡検査ではS状結腸に易出血性の憩室様の開口部が確認され,後腹膜膿瘍形成を伴ったS状結腸憩室炎と診断され,当科紹介となりHand-Assisted Laparoscopic Surgery(以下,HALS)を施行した.手術所見ではS状結腸から壁外に突出した表面平滑で硬い腫瘤を触知し壁外発育型腫瘍と診断しS状結腸切除術を施行した.病理組織学的検査にてgastrointestinal stromal tumor(以下,GIST)と診断された.術後経過良好で14日目に退院となり,術後12か月再発無く外来にて経過観察中である.本症例は壁外発育型GISTの中心部が自壊し結腸内腔と交通したため憩室様形態を呈した極めてまれな症例と考えられた.