日本消化器外科学会雑誌
Online ISSN : 1348-9372
Print ISSN : 0386-9768
症例報告
急性膵炎を契機に発見された膵管内管状腺癌の1例
水野 礼奥野 将之小島 秀信藤 浩明森 友彦伊東 大輔古元 克好小切 匡史
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44 巻 (2011) 2 号 p. 171-177

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抄録

 症例は62歳の男性で,食事摂取で増強する心窩部痛を認め近医を受診し,急性膵炎の診断で当院紹介入院となった.保存的加療で急性膵炎が軽快した後,原因精査を行った.腹部造影CTで膵体部に淡く造影効果を認める低吸収域を認め,その尾側の膵管は拡張していた.MRCP,ERCPでは膵体尾部主膵管の拡張と,拡張部の膵頭側での陰影欠損を認め,膵管内腫瘍が考えられた.膵液細胞診でClass IVの結果を得たため,膵管内腫瘍,通常型膵癌などを鑑別疾患に考え,膵体尾部切除術を行った.摘出標本を観察すると主膵管は7mm径に拡張し,内部に6mm大のポリープ様の腫瘍が付着していた.病理組織診断の結果,膵管内管状腺癌の診断を得た.膵管内管状腫瘍は非常にまれであり,その臨床病理学的特性についての知見は乏しい.今回,我々は急性膵炎を契機に発見された膵管内管状腺癌の1例を経験したので文献的考察を交えて報告する.

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