日本消化器外科学会雑誌
Online ISSN : 1348-9372
Print ISSN : 0386-9768
原著
胃切除後の骨代謝障害に対するアレンドロネートの有用性の検討
杉山 貢國崎 主税加藤 広行今田 敏夫島田 英昭平田 公一小坂 健夫吉田 昌北島 政樹愛甲 孝
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44 巻 (2011) 4 号 p. 361-373

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抄録

 はじめに : 胃切除施行後患者における骨代謝障害は,以前より問題視されているが,明確な予防・治療指針が存在せず見逃されている症例も多い.近年骨代謝障害を改善するビスフォスフォネート製剤が登場したため,胃切除後骨代謝障害に対するアレンドロネートの効果を検討した.対象と方法 : 胃切除術施行後の男女で,腰椎骨密度が若年成人平均値の80%未満である骨量減少患者80名を対象とし,活性型ビタミンD3投与群(VD群),アレンドロネート投与群(ALN群),活性型ビタミンD3+アレンドロネート併用投与群(併用群)に割付け,腰椎骨密度などの有効性,有害事象,骨折などの安全性を2年間観察した.結果 : 腰椎骨密度の増加率は24か月でVD群3.5%,ALN群9.3%,併用群7.7%で,ALN群,併用群で有意に増加した(P<0.01).骨代謝マーカーの尿中DPD変化率は6か月からALN群-25.3%,併用群-28.7%と有意な抑制が見られた(P<0.01).血清BAPは6か月からALN群-28.2%,併用群-36.9%と有意な抑制が見られた(P<0.01).有害事象はいずれの群も重篤なものはなく,その後軽快・消失した.新規椎体骨折はVD群で1例発生した.考察 : 本研究から,アレンドロネート単独とアレンドロネート+活性型ビタミンD3併用による有用性が示され,本治療が胃切除後の骨代謝障害および骨折の予防となりうることが示唆された.

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