日本消化器外科学会雑誌
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症例報告
過食後の急性胃拡張による胃壊死の1例
小島 博文小尾 芳郎阿部 哲夫
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キーワード: 過食, 急性胃拡張, 胃壊死
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2014 年 47 巻 3 号 p. 182-187

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抄録

 症例は33歳の男性で,刑務所服役中に統合失調症を発症した.刑務所を出所後に暴飲暴食し,意識障害を主訴に救急搬送された.来院時の単純X線検査で著明な胃拡張を認めたが,腹部症状は無く精神科入院となった.入院後7日目に吐血,血圧低下,腹痛を認め,当科紹介となった.身体所見上,腹部は著明に膨隆し,板状硬を呈していた.腹部造影CTで胃内に多量の残渣と胃壁内ガス像,肝内門脈ガス像を認めた.急性胃拡張による胃壊死が疑われ,緊急手術を施行した.術中所見では,胃壁が菲薄化しており,胃のほぼ全体が壊死に陥っていた.また,胃壁に気腫状変化を認めた.胃の温存は不能と考え,胃全摘術を施行した.術後,敗血症と肝不全を合併したが集学的治療により回復し,第47病日に精神科転科となった.胃は血流豊富な臓器であり壊死に至ることはまれである.過食後の急性胃拡張による胃壊死の1例を報告する.

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