日本消化器外科学会雑誌
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原著
肝細胞癌術後に早期再発した症例の臨床病理学的検討
馬場 活嘉徳永 美喜新上 浩司宇治 祥隆山口 方規高尾 貴史
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2014 年 47 巻 8 号 p. 421-429

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抄録
 目的:原発性肝細胞癌に対する肝切除術は,最も予後の期待できる初期治療としてほぼ確立されたが,しばしば,術後早期に再発し死亡に至る症例を経験する.今回,術後半年以内に再発した症例を早期再発肝細胞癌と定義し,その特徴と早期再発因子を検討した.方法:2005年1月から2012年6月までに肝細胞癌の診断で,初回治療として肝切除術を施行した93例を対象とし,早期再発群と非早期再発群を臨床病理組織学的に比較検討した.結果:早期再発群は12例(12.9%)で無再発生存期間中央値は3.5か月(1~5か月)であった.生存期間中央値は13か月と非常に短く,3年生存率は30.6%で非早期再発群の90.8%と比較すると明らかに不良であった(P<0.001).多変量解析の結果からstage III以上が早期再発因子となった(P=0.008).さらに,stage III・IVa症例に限定し早期再発群と非早期再発群の比較を行うと,多変量解析では有意差を認めなかったものの,単変量解析の結果よりAFP≥43 ng/ml(P=0.004),被膜なし(P=0.004)が早期再発因子として抽出された.結語:stage III以上でAFP≥43 ng/mlかつ被膜なしの症例は早期再発リスクが高く,予後不良が予測される.確立された標準治療は存在しないが,術前後の補助療法を考慮する必要があると思われる.
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