日本消化器外科学会雑誌
Online ISSN : 1348-9372
Print ISSN : 0386-9768
ISSN-L : 0386-9768
症例報告
転移性膵腫瘍切除6例の術前画像所見からみた手術適応と治療成績の検討
藤井 昌志渡邉 雄介西原 一善中野 徹田宮 貞史豊島 里志
著者情報
キーワード: 転移性膵腫瘍
ジャーナル フリー HTML

2018 年 51 巻 2 号 p. 122-131

詳細
Abstract

一般的に遠隔転移を伴う悪性腫瘍は予後不良とされており,遠隔転移巣に対する切除の意義について一定の見解はない.今回,我々は1999年4月から2014年1月の期間で6例の転移性膵腫瘍切除例を経験したので報告する.原発巣は6例中3例が腎細胞癌,1例が乳癌,1例が平滑筋肉腫,1例が肺癌であった.原発巣切除後膵切除までの期間は4年3か月~21年,膵切除後の生存期間は2~11年(中央値5.5年)で,6例中4例が5年以上の長期生存をえることができ,比較的良好な予後がえられた.原発巣が腎癌,乳癌,平滑筋肉腫であった場合,原発巣のコントロールが良好で,ほかに遠隔転移巣を認めなければ,転移性膵腫瘍を切除する意義がありうると考えられた.

はじめに

一般的に遠隔転移を伴う悪性腫瘍は予後不良とされている.転移性膵腫瘍は,剖検例で21.7%と報告されており1),悪性腫瘍の末期像として決してまれではないが,近年外科的治療により長期生存がえられた報告例が散見されるようになってきた2)3).今回,我々は1999年4月から2014年1月の期間で6例の転移性膵腫瘍切除例を経験し,比較的良好な結果がえられたので,転移性膵腫瘍に対する外科的切除の適応と治療成績について検討した.

症例

症例1:59歳,女性

左腎癌に対して,根治的腎摘出術を施行された.術後9年目にCTで肝S6に4 cm,膵体部に2.5 cmの高濃染腫瘤を認め(Fig. 1a),腎癌転移の診断で肝S6部分切除,膵体尾部切除術を施行した.病理組織結果はいずれも腎癌転移の診断であった(Fig. 1b).膵切除術後11年生存中である.

Fig. 1 

(Case 1) a) Abdominal CT image shows an enhanced tumor in the body of the pancreas (arrow). b) Histological findings of the pancreatic tumor show a clear cell carcinoma with a clear cytoplasm compatible with metastatic renal cell carcinoma.

症例2:57歳,女性

左腎癌に対して根治的左腎摘出術を施行された.術後5年6か月目にCT・MRIで膵体部に10 mm大のhypervascularな腫瘤を認めた(Fig. 2a).膵管造影では主膵管の狭窄や拡張は認めなかった(Fig. 2b).腎癌の膵転移の診断で,膵体尾部切除術を施行した.病理組織結果は腎癌転移の診断であった(Fig. 2c).膵切除術後6年無再発生存中である.

Fig. 2 

(Case 2) a) Abdominal CT image shows enhanced tumors in the body of the pancreas (arrow). b) ERCP does not show dilatation of the main pancreatic duct. c) Pancreatic parenchyma contains nests of carcinoma cells with clear cytoplasm, indicating metastases of clear cell carcinoma of the kidney.

症例3:60歳,男性

右腎癌(clear cell carcinoma,pT2aN0M0,pStage II)に対して根治的右腎摘出術を施行された.術後21年目にCTで,膵体部に14 mmの早期濃染を示す多血性腫瘤を認めた(Fig. 3a).腎癌の手術既往から腎癌膵転移と術前診断し,膵体尾部切除,脾臓摘出術を施行した.病理組織結果は腎癌膵転移と膵神経内分泌腫瘍の併存であった(Fig. 3b~e).10 mmの腎癌膵転移巣の頭部側および尾部側にそれぞれ5 mmの神経内分泌腫瘍を認めた.いずれもKi-67は2%以下で,Grade 1であった.腎癌膵転移巣と神経内分泌腫瘍は近接していたが連続性は認めなかった.膵切除術後は4年無再発生存中である.

Fig. 3 

(Case 3) a) Abdominal CT image shows an enhanced tumor in the body of the pancreas (arrow). b) One of the pancreatic tumors shows a clear cell carcinoma with a clear cytoplasm compatible with metastatic renal cell carcinoma. c) Histological findings of the pancreatic tumors show well-differentiated neuroendocrine tumors. d) Chromogranin A (+). e) Synaptophysin (+).

症例4:48歳,女性

左乳癌に対して左乳房切除術を施行した.病理組織診断は浸潤性乳管癌(solid tubular carcinoma)であり,pT2N0M0,pStage IIAであった.Estrogen receptor(以下,ERと略記),progesterone receptorともに陽性であった.補助療法として5-Fluorouracil(1.5年)およびtamoxifen(4年)投与を行った.術後4年4か月目に腹部超音波検査で膵体部に1.5 cmの低エコー腫瘤,CTで1 cmの低吸収域を認め(Fig. 4a),膵管造影では膵体部で主膵管が完全に途絶していた(Fig. 4b).膵癌の術前診断で,膵体尾部切除,脾・左副腎合併切除術を施行した.切除標本では,15×9 mmの腫瘤を認め,病理組織結果はinvasive ductal carcinoma(tubular adenocarcinoma)であった(Fig. 4c).ER陽性(Fig. 4d)であったため,乳癌の膵転移と診断した.リンパ管侵襲,静脈侵襲はいずれも高度で,総肝動脈周囲リンパ節に転移(1個)を認めた.膵切除術後5年目に前縦隔転移,左頸部転移が出現し,化学療法を開始したが,膵切除後7年6か月目に乳癌死した.

Fig. 4 

(Case 4) a) Abdominal CT image shows a low-density tumor in the body of the pancreas (arrow). b) ERCP detected obstruction of the main pancreatic duct in the body of the pancreas. c) Histological findings of the pancreatic tumor show invasive ductal carcinoma. d) Estrogen receptor (+).

症例5:63歳,男性

左背部平滑筋肉腫に対して切除術を施行した.術後7年目に鼠径ヘルニアの術前精査のCTで膵体部に2 cmの低吸収域と尾側膵管の拡張を,腹部超音波検査で膵体部に2 cmの低エコー腫瘤を認めた(Fig. 5a).ERCPでは膵体部に28 mmの狭窄像と尾側膵管の拡張(7 mm)を認めた(Fig. 5b).EUSでは膵体部に約20×15 mm大の境界明瞭な低エコー腫瘤を認め,同部で主膵管が途絶しており,尾側では径7 mmと拡張していた.膵癌の術前診断で,膵体尾部切除,脾臓摘出術,ヘルニア修復術を施行した.病理組織結果は核の異型を伴った紡錘形腫瘍細胞を認め,免疫組織化学染色検査ではα-smooth muscle actin(α-SMA)に陽性を示し,平滑筋肉腫の転移の診断であった(Fig. 5c~e).膵切除後5年無再発生存中である.

Fig. 5 

(Case 5) a) Abdominal CT image shows a low-density tumor (arrow) and dilatation of the distal pancreatic duct. b) ERCP shows that the main pancreatic duct was stenotic in the pancreatic body, followed by the poststenotic dilation at the distal side. c) Multiple nodules of leiomyosarcoma are observed in the pancreatic body. d) Higher power view of the tumor shows spindle cells and nuclear atypia. e) α-smooth muscle actin (+).

症例6:63歳,男性

血痰の精査目的で施行されたCTで,原発性肺癌と,膵尾部に7×3.6 cmの早期相,遅延相ともに低吸収で境界明瞭な腫瘤を認めた(Fig. 6a, b).膵管造影では,主膵管は3 mmであり,CTで認識される膵腫瘤の位置よりやや尾側で主膵管の先細り狭窄を認めた(Fig. 6c).画像上は膵癌としては非典型的であったが,原発性肺癌,原発性膵癌の診断で,悪性度がより高いと考えられる膵癌に対する手術を先行する方針とし,膵体尾部切除術を施行した.病理組織結果は肺癌のリンパ節転移の診断であった(Fig. 6d, e).現在膵切除後2年経過しており,肺癌(cT2aN2M1b(LYM),cStage IV)に対して化学療法中である.

Fig. 6 

(Case 6) a, b) Abdominal CT image shows a low-density tumor in the tail of the pancreas (arrows). c) ERCP shows dilation and obstruction of the main pancreatic duct more distal than the site of the tumor. d, e) Histological findings of peri-pancreatic lymph nodes show a poorly differentiated carcinoma compatible with metastatic lung cancer.

考察

Reddyら4)によると膵悪性腫瘍のうち転移性膵腫瘍が占める割合は2%以下とまれであり,転移性膵腫瘍切除例の原発巣としては,腎癌が最も多く61.7%を占め,大腸癌(7.8%),悪性黒色腫(4.9%),肉腫(4.9%)と続いている.Table 1に自験例をまとめているが,自験例でも6例中3例の原発巣が腎癌であり,乳癌,肉腫,肺癌がそれぞれ1例ずつであった.

Table 1  Cases of pancreatectomy for metastatic pancreatic tumors
Case Age Primary lesion Pattern of enhancement* ERP Preoperative diagnosis Procedure (LN dissection) Final diagnosis (surgical margin) Prognosis
1 59 Renal cell carcinoma Hypervascular Not performed Metastasis from renal cell carcinoma DP (unknown) Metastasis from renal cell carcinoma (negative) Alive (11yrs)
2 57 Renal cell carcinoma Hypervascular Normal study Metastasis from renal cell carcinoma DP (D1) Metastasis from renal cell carcinoma (negative) Alive (6yrs)
3 60 Renal cell carcinoma Hypervascular Not performed Metastasis from renal cell carcinoma DP (D1) Metastasis from renal cell carcinoma with neuroendocrine tumors (negative) Alive (4yrs)
4 48 Breast cancer Hypovascular MPD stenosis Primary pancreatic cancer DP (D2) Metastasis from breast cancer (negative) Dead
(7yrs 6mos)
5 63 Leiomyosarcoma Hypovascular MPD stenosis accompanied with distal MPD dilation Primary pancreatic cancer DP (D2) Metastasis from leiomyosarcoma (negative) Alive (5yrs)
6 63 Lung cancer Hypovascular MPD stenosis Primary pancreatic cancer DP (D2) Metastasis from lung cancer (lymph node) (negative) Alive (2yrs)

*Pattern of enhancement was assessed using contrast enhanced CT. ERP: endoscopic retrograde pancreatography, LN: lymph node, MPD: main pancreatic duct, DP: distal pancreatectomy

転移性膵腫瘍は臨床症状が少ないことが多く,画像検査上も特徴的な所見に乏しいため診断が困難なことが多い5).一般的に転移性腫瘍は原発巣の性格を反映する.腎癌膵転移は腎癌同様に造影CTで多血性腫瘤として描出されるため,原発性膵癌との鑑別は比較的容易だが,この場合は膵内分泌腫瘍との鑑別が困難となってくる6).また,腎細胞癌は術後10年以上経過後の晩期再発例が11%と高率に認められるため,腎細胞癌術後に膵多血性腫瘤を認めた場合は,術後長期間経過していても腎細胞癌の転移再発を疑わなければならない7)8).自験例でも腎癌術後の3例はいずれも造影CTで多血性腫瘤の像を呈しており,術前に腎癌の膵転移と診断,または疑うことができ,症例1および2は典型的な腎癌膵転移の症例であった.一方で,症例3は,術後の病理組織診断で腎癌膵転移に神経内分泌腫瘍の併存を認めた.病理組織学的所見から後方視的に検討すると,腎癌膵転移巣と神経内分泌腫瘍が近接していたため,CTで14 mmの早期濃染を示す多血性腫瘤として認識された腫瘤は腎癌転移巣と神経内分泌腫瘍が一塊となり一つの腫瘤として認識されたと考えられる.医学中央雑誌で1970年から2017年2月の期間で「転移性膵腫瘍」もしくは「腎癌膵転移」,「神経内分泌腫瘍」をキーワードとして検索したところ,同様の報告はなく,腎癌膵転移と神経内分泌腫瘍との併存例は本邦で初の報告である.いずれの腫瘍も造影CTでは多血性の腫瘤として描出されるため,併存を術前に診断することは困難であった.一方で腎癌以外の症例ではいずれも造影CTで乏血性腫瘤像を呈しており,膵管造影では主膵管の狭窄や途絶を認め,術前に膵癌を疑い,手術適応とした.症例4,5ではいずれも遅延性増強効果を呈し,境界不明瞭な腫瘤像として描出されており,膵癌に合致する画像所見であった.しかし,症例6では早期相,遅延相ともに低吸収で,境界明瞭であり,膵管造影における主膵管の閉塞部位がCTでの腫瘤の位置より尾側であったことは,膵癌としては非典型的な画像所見であった.しかし,そのような画像所見を特徴とする腫瘍はなく,膵癌疑いと術前診断した.病理診断結果は,肺癌のリンパ節転移であった.CTでの腫瘤の位置と膵管造影の閉塞部位の解離は,病理診断がリンパ節転移であったことから,主膵管が管外性に圧排されたことによるものでないかと考えられた.厳密には膵腫瘍ではないが,非典型的な転移性膵内病変であり,症例6として報告した.

転移性膵腫瘍の診断では超音波内視鏡ガイド下穿刺吸引生検(endoscopic ultrasound-fine needle aspiration;以下,EUS-FNAと略記)が有用であるという報告が散見され9)10),EUS-FNAにより術前に転移性膵癌の診断をえたことで,膵全摘を回避しえたという報告もある11).一方で,穿刺に伴う播種のリスクがあり,EUS-FNAの穿刺ルートが切除範囲に入らない場合は特に適応を慎重に判断する必要がある12).本検討では1例(症例5)のみにしかEUSを施行しておらず,EUS-FNAは行っていなかったが,有用な検査方法であり,今後考慮すべきであると思われる.

転移性膵腫瘍に対する切除時にリンパ節転移を33~38%に認めたという報告13)14)がある.また,膵臓への転移が血行性転移であった場合,膵周囲リンパ節への転移は少なく原発性膵癌のような広範リンパ節郭清は必要ないという報告もある5).現時点では,リンパ節郭清を行うかどうか,また行うとしたらどの程度行うかというコンセンサスはえられていない.自験例では,6例中5例にリンパ節郭清が施行されていた.術前に膵癌を疑った3症例に対してはD2郭清を施行したが,術前に腎癌膵転移を疑った3例にはD2郭清は行っていなかった(Table 1).そのうち血行性転移と考えられる乳癌の膵転移症例でリンパ節転移が陽性(1/69)であったことから,転移性膵腫瘍に対しても原発性膵癌と同様の系統的なリンパ節郭清が長期生存に寄与する可能性がある.

転移性膵腫瘍に対する術式は,膵頭十二指腸切除(pancreatoduodenectomy;以下,PDと略記),膵体尾部切除(distal pancreatectomy;以下,DPと略記),膵全摘(total pancreatectomy;以下,TPと略記)に加えて核出術がある.黄ら8)の報告では,本邦報告例36例中,DP 22例,PD 6例,TP 5例,核出術3例,Reddyら4)の報告では,49例中,DP 14例,PD 31例,TP 4例と報告によって術式の割合はさまざまであった.自験例では6例全てにDPが施行されていた.腎癌膵転移症例に対する核出術や膵中央切除術などの縮小手術は50%の局所再発率を認め,周術期合併症が多いという報告もあり15),Reddyら4)は転移性膵腫瘍に対して断端陰性を確保したリンパ節郭清を伴う定型的膵切除を推奨している.

腎癌の膵転移と神経内分泌腫瘍の鑑別は困難である.症例3の膵病変は造影CTで多血性腫瘤像を呈していたが,術後の病理診断で腎癌の膵転移と神経内分泌腫瘍の併存を認めた.低悪性度の膵神経内分泌腫瘍は腹腔鏡手術の適応となるが,非機能性膵神経内分泌腫瘍に対するリンパ節郭清については,腫瘍径が2 cm以上の場合はリンパ節転移の頻度が高いため,リンパ節郭清が必要とされており,2 cm以下でもリンパ節転移を有している症例が10%前後存在しているため,注意が必要であると考えられている16).また,木村ら17)の検討では,腫瘍径が15~20 mmのG2例やリンパ節転移例が存在しており,腫瘍径15 mm以上の場合をリンパ節郭清併施の目安にしていると報告している.一方で,菰田ら18)の検討によると腎癌膵転移症例のうちリンパ節転移を伴うものは3.0%であったと報告されている.腎癌膵転移と腫瘍径1.5 cm以下の膵神経内分泌腫瘍ではいずれもリンパ節転移頻度は低いため,必ずしもリンパ節郭清は必要ないと考えられる.腎癌の手術既往があり,腫瘍径が1.5 cm以下の多血性の膵腫瘍を認めた場合,明らかなリンパ節腫大を認めない症例では腹腔鏡手術も選択肢となりうると考えられる.

転移性膵腫瘍切除後の予後は,原発巣によって異なるため,治療法も異なってくる.原発巣が腎癌である場合は外科的切除が有効で,乳癌や大腸癌,軟部組織原発の腫瘍に対しては予後の改善の可能性が認められるが,悪性黒色腫や肺癌からの転移に関しては切除を行っても予後の改善に乏しく,手術は推奨されないという報告がある19).Reddyら4)は腎癌膵転移の生存期間中央値は105か月で,5年生存率は66%であり,良好な成績であったと報告している.また,腎細胞癌の膵転移は,原発巣切除から転移までの経過が長いものが多いという特徴があり2),Z’graggenら20)は原発巣の治療から膵再発までの期間の長いslow growthな腫瘍が外科的切除の良い適応であるとしている.Masettiら21)は234例の転移性膵腫瘍の予後について検討しており,単変量解析では,診断時に有症状,同時性多発転移,肉眼的に完全切除不可能,原発臓器が予後不良因子であり,原発巣が腎癌であるものは原発巣が他の部位であるものと比較して有意に予後が良好であった.また,多変量解析では肉眼的に完全切除不可能であることと原発巣が悪性黒色腫であることが独立した予後不良因子であったと報告している.自験例でも,腎癌では原発巣切除から転移までの期間は長く(9年,5年6か月,21年),切除後5年以上の長期生存例は腎癌2例(11年・6年),乳癌1例(7年6か月),平滑筋肉腫1例(5年)で,腎癌膵転移切除後は予後良好であった.ホルモン受容体陽性再発乳癌の生存期間の中央値は内分泌療法で30.5~33.3か月22),48.4~54.1か月23)と報告されており,これらと比較すると自験例では切除後90か月(7年6か月)生存しており,切除が長期生存に寄与した可能性があると考えられた.平滑筋肉腫に関しては,再発巣の完全切除が可能であった場合は,長期生存も可能であるが,再度の再発の可能性が高いとされている24).また,複数回の再発巣に対する切除により長期生存がえられたという報告も散見されるが25)26),医学中央雑誌で1970年から2017年2月の期間で「平滑筋肉腫」,「再発」,「長期生存」をキーワードとして検索しえた範囲では自験例のように5年以上の無再発生存をえられた報告は認められなかった.自験例でも厳重な経過観察が必要と考えられる.

転移性膵腫瘍に対しては,ほかにコントロール不良な遠隔転移がなく,全身状態が良好であり,腫瘍遺残のない手術が可能であれば,原発巣によっては切除が予後延長につながると考えられた.

利益相反:なし

文献
 

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc/4.0/deed.ja
feedback
Top