日本消化器外科学会雑誌
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症例報告
肝原発神経内分泌癌の1例
真鍋 高宏坂東 正三輪 武史清水 哲朗長田 拓哉
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2018 年 51 巻 2 号 p. 99-105

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抄録

症例は84歳の女性で,腹部腫瘤触知,食事摂取不良を主訴に当院を受診した.肝外側区域に内部に囊胞状変化を伴う最大径15 cm大の多血性腫瘍を認め,非典型的な肝原発の悪性腫瘍として肝外側区域切除術を施行した.病理学的には,細胞質が不明瞭で類円形の核を持つ腫瘍細胞が充実性胞巣を形成しており,腫瘍中心部には,腫瘍の広範な自壊壊死を認めた.免疫組織学的には,synaptophysin,CD56,NSE陽性であった.Ki67 indexは90%以上であり2010年に改訂されたWHO分類ではGrade 3(NEC)に相当した.他臓器に原発を疑う病変を認めなかったことから,肝原発神経内分泌癌と診断した.術後は合併症なく経過し術後17日目に退院した.現在まで,術後2年が経過するが再発を認めていない.

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