平昌オリンピックの真っ最中に編集後記を執筆することになった．本誌とは直接関係ないことは百も承知であるが，「このタイミングに逆らうのもいかがなもんか」，ということで，あえてこの話題に触れたい．なんとなくキナ臭いムードの中で始まったこの冬季オリンピック，参加者が奇妙に少なく，韓国本体はかなり焦燥感があるとのうわさも流れる中で，韓国・北朝鮮合同チームの結成や北朝鮮訪問団の電撃訪韓，さらには美女応援団と，“平昌”ならぬ“平壌”オリンピックかと揶揄される声もある中始まった冬季五輪，結果的には，日本勢の大活躍で，一切の思いは払拭されたというのが現状だろうか？！「スポーツを政治利用するな！」って，心のどこかで目くじらをたてていた過去は，どこかへ飛んでしまったのかもしれない．こんな気持ちであれば，「北朝鮮美女軍団に逢っても，目もくれるか！」って思いも今はどこ吹く風，「アンニョンハセヨ！」っていいながら満面の笑みで握手をしてしまうことは，もはや100％間違いない．というような不埒な思いでニタついている最中にも，またまたBIGNEWSが飛び込んできた．スケートマススタート女子金メダル（高木菜那選手），女子カーリングチーム初の銅メダル，もはや，平昌オリンピック万歳！！スポーツはすべての思いを払拭するのだ，，本当にすばらしい，，美女軍団さえ，最高だ，，このまま，余韻に浸りたいなあ，，でも，編集後記の締め切りは，こんな幸せな思いを吹き飛ばしつつ，近づいている．
さて，今回の日本消化器外科学会雑誌（第51巻第3号）には，9編の論文が採択されました（症例報告：8編，臨床経験：1編）．いずれも，編集委員会において十分な議論がなされた結果採択された論文です．症例報告のほとんどが，これからの外科をささえる若い先生たちからの投稿です．前述したように，平昌オリンピックでの若手選手の活躍は目を見張るものがあります．消化器外科医にとっても，きっとこの世代交代の波は，おし寄せてきています．
未来に大いに期待したいと思います．
（永野 浩昭）
2018年3月1日
