日本消化器外科学会雑誌
Online ISSN : 1348-9372
Print ISSN : 0386-9768
特発性門脈圧亢進症の成因に関する研究
とくに肝内HBs抗原の検討
梅山 馨吉川 和彦大野 良興由井 三郎山下 隆史
著者情報
ジャーナル フリー

10 巻 (1977) 5 号 p. 486-492

詳細
PDFをダウンロード (13336K) 発行機関連絡先
抄録

特発性門脈圧亢進症, いわゆるバンチ症候群の成因に関してはいまだ明らかでない. しかし, 本症に多くみられる肝線維症あるいは肝内門脈閉塞は原因として慢性肝炎が推測されてきた.
一方, 最近志方らのオルセイン染色法で肝組織内でのHBs抗原の検出が可能となったことから, われわれは大阪市立大学第1外科で過去15年間に手術され保存されていたバンチ病肝切片40例に本染色法を行い検討した結果, 12例 (30%) にHBs抗原が証明された. なお, 肝硬変症においては45例中26例 (57.8%) にみられた. かかる事実と従来の当教室での卵白アルブミン感作ウサギの成績から, 原因不明といわれる本症の成因にHBウィルスを含む何らかの感染による免疫学的機序の関与していることが強く示唆された.

著者関連情報
前の記事 次の記事

閲覧履歴
feedback
Top