11 巻 (1978) 9 号 p. 721-733
大腸癌術後の局所再発予防の目的で, 術後はもとより, 術中にも使用される抗癌剤が, 縫合創治癒にどの程度の影響を及ぼすかについての研究は少なく, 明確な結論が得られていない.著者は, まず犬結腸にMitomycin Cを局所投与して, 投与法および投与量によっては潰瘍形成, 壁内出血, 上皮の変性, 動脈壁の類線維素性変性などが生じることを確かめ, また, 結腸縫合創治癒への影響を検索し, 動脈内投与の障害が最も強く, 次いで腹腔内投与, 腸管内投与の順となり, 投与量として比較的障害が少ないと考えられる臨床使用適量は, 動脈内0.2mg/kg, 腹腔内0.5mg/kg, 腸管内0.5~1.0mg/kgであると結論した.