15 巻 (1982) 4 号 p. 595-600
胃・十二指腸潰瘍患者が術後どのような疾患で死亡するのかを知るため, 1948~1977年の30年間に教室で経験した潰瘍手術例1,325例を追跡調査し, その間の死亡例295例の死因を分析した.また残胃癌の発生頻度についても検討した.その結果, 死因としては脳血管疾患・心循環器疾患・悪性腫瘍によるものが多く, ほぼ国民全体の死因順位と同じであった.悪性腫瘍による死亡例は35例 (11.9%) を占め, 肝癌・肺癌・胃癌が多くみられた.このうち残胃癌と考えられる症例は6例あり, その発生頻度は0.45%と, 一般の胃癌羅患率より高く, 潰瘍術後のfollow-upに際して十分注意することが必要である.